(再エネ)太陽光発電の自家消費について

うすきエネルギーの小川です。
今回は、導入事例も増えてきている、太陽光発電の「自家消費」について。
太陽光発電の「自家消費」は、ある程度の需要がある工場・事業所などでは外から電気を買ってくるよりも安くなる場合も出てきています。敷地内に太陽光発電設備を導入(「オンサイト」型の自家消費)し、既存の分電盤・キュービクルなどに発電した電気を取り入れて工場・事業所で使用するという形です。工場・事業所の屋根や敷地内の空き地などに太陽光発電設備を設置します。

太陽光発電が発電していない時間も含めて、足りない電気は電力会社から購入します。

地域の中で、このような「自家消費」を行う事業者が増えることで、地域全体でのエネルギー自給率をあげることが出来ますし、もちろん再エネの比率も高まります。

それでは、なぜ、太陽光発電の自家消費が注目されているのか、それは、今まで「高い」と思われてきた太陽光発電ですが、自家消費を行うことに経済的なメリットが生まれてきているからです。

1.太陽光発電の自家消費に経済的なメリットが生まれてきた要因

要因① : 太陽光パネルの価格が安くなっている
事業用太陽光発電のデータですが、太陽光パネルの価格は低下傾向にあります。
特に、そこまで大きくない低圧や50~250kWという、小規模な自家消費向けに該当する規模は年々、価格が下がっています。
ここ直近では、円安や資源高による資材費の上昇していますが、それでも、以前に比べて価格は大きく下がっています。
※2020年の時点で太陽光発電に関わる事業費の半分がパネル価格であり、パネル価格の低下は価格全体に大きなインパクトを与えています。

出所:太陽光発電について(資源エネルギー庁)

要因② : 電気代が高くなっている
原油・液化天然ガス価格の上昇、円安の進行などで、今後もエネルギー価格は高くなる可能性が高くなっています。
電気も、化石燃料を使用する発電(特に天然ガス)の割合が高く、今後も価格が上がってくることが見込まれます。
電力卸売市場という電気の取引を行っている市場の価格は、2022年は2021年と比較して、2~3倍近い価格になっています。今後も、資源価格の影響を受けやすい火力発電所が中心の日本の電力事情では、この傾向がすぐに変わることは難しい状況です。

表.電力卸売市場の九州エリアの月間の平均価格

2月の平均価格 3月の平均価格 4月の平均価格
2020年 5,73円/kWh 4.5円/kWh 3.97円/kWh
2021年 6,61円/kWh 5.5円/kWh 5.88円/kWh
2022年 15.52円/kWh 18.07円/kWh 15.46円/kWh

 

また、直接的な影響としては、弊社も徴収している燃料調整費額というものがあります。これは、輸入している化石燃料価格に応じて、価格が決まるのですが、これも今年に入ってから上昇が続いています。
(弊社は九州電力株式会社と同額の燃料調整費額を設定しております)

また、再生可能エネルギー発電促進賦課金(※)の単価も、2020年度2.98円/kWh、2021年度3.36円/kWh、2022年度3.45円/kWhと上がっています。

このように、①太陽光パネル、②電気代の両面から、太陽光発電の自家消費を行う経済的なメリットが生まれてきています。

加えて、「脱炭素」、「RE100」、「SDGs」といった企業が再生可能エネルギーを利用していこうという流れが、これらの取り組みを後押ししています。
また、停電時のBCP対策(非常時の電源確保等)にも活用することが出来るといった副次的なメリットもあります。

固定価格買取制度で買い取られる再生可能エネルギー電気の買い取りに要した費用をまかなうために、電気の使用者から広く集められる料金が再生可能エネルギー発電促進賦課金です。

2.太陽光発電の自家消費の検討にあたって
それでは、実際に太陽光発電の自家消費を行うことで、どの程度の経済的なメリットがあるか、どのように検討すればよいのでしょうか。
検討にあたって、必要な情報としては、
・1年間の電気代 (どのくらいの価格メリットがあるのかの比較)
・30分ごとの電力資料量データ(※)(どのくらい自家消費で使えるのかを試算するため)
・屋根図面(屋根の上に設置する場合)
・キュービクル・配電盤関連の電気図面(電気を引き込む改造工事の見積のため)

が必要となります。
これらの情報をもとに、既存の電気料金と比較して、どの程度 安くなるのか、高くなるのかを試算することが出来ます。
太陽光発電の自家消費を効果的に行うためには、作った電気をなるべく使い切ることが大事になってきます。
太陽光発電の自家消費を効果的に行うためには、
・昼間(太陽が出ている時間帯)に電気を多く使っている
・季節や平日・休日などの変化に関わらず、一定程度の電気を使っている
・太陽光発電設置可能な屋根や施設内に設置可能な場所がある
といった事業所が適しているといえます。

臼杵市内や大分県内及び近隣で、太陽光発電の自家消費を検討したいという方がいらっしゃれば、ご連絡いただければ、検討にあたってのお手伝いをさせていただきます。

また、太陽光発電設備は安くなったといっても、規模によって数百万円から数千万円の投資が必要です。(屋根置きの場合で、発電容量kWあたり15~20万程度)

この自家消費には政府の補助金も活用できます。
ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業 という環境省の事業で、自家消費型太陽光発電・蓄電池を導入する場合に、4万円~5万円/kWの支援を受けることが出来ます。

 


出所)環境省

こちらの補助金にも導入形態として紹介がありますが、自社での投資が難しいという場合は、PPAサービスという初期投資とラニングコストがゼロ円で自家消費型の太陽光発電を導入できるものもあります。

補助金申請やPPAサービスについても、関係会社と連携して、ご提案できますので、ご関心のある方は、お問い合わせください。

※うすきエネルギーのお客様は弊社が情報を持っています。それ以外の方も、電力使用量照会の委任状を弊社宛にいただければ取得可能です。

PAGE TOP