7月21日「脱炭素経営セミナー」に登壇しました
7月21日に宮崎市のKITEN 8階コンベンションホールで開催された「脱炭素経営セミナー」にて、うすきエネルギー株式会社 代表取締役の小川拓哉が登壇しました。
当日は、県内企業の皆さまを中心に、GXや脱炭素経営に関心を持つ多くの方にご参加いただきました。ご来場・ご参加いただいた皆さま、そして開催にあたりご尽力いただいた関係者の皆さまに、心より御礼申し上げます。 宮崎県公式ページ
今回の講演では、「中小企業の脱炭素事例に学ぶ ― 宮崎県の動きと、選ばれる企業になるためのヒント ―」をテーマに、再生可能エネルギーの活用や中小企業による脱炭素の実践事例、そして脱炭素に取り組むことの意義についてお話ししました。あわせて、脱炭素は一部の大企業だけの取り組みではなく、地域の中小企業にとっても十分に実践可能であり、むしろこれからの経営において重要なテーマであることをお伝えしました。

脱炭素は「特別な企業の話」ではない
講演の中で最もお伝えしたかったのは、脱炭素は決して一部の先進企業や大企業だけの話ではない、ということです。

近年は、取引先から排出量に関する情報提供を求められる場面が増えつつあり、採用やブランディングの面でも、企業姿勢が問われる時代になってきました。そうした中で、脱炭素への取り組みは「コスト負担」だけではなく、企業の信頼性を高め、選ばれる企業になるための一つの経営戦略として捉えることができます。
一方で、「何から始めればいいかわからない」「費用がかかりそう」「自社にはまだ早いのではないか」と感じる企業も少なくありません。だからこそ今回の講演では、いきなり大きな投資をするのではなく、まずは自社の現状を知ること、小さく始めること、そして続けながら育てていくことの大切さをお話ししました。
最初の一歩は、「測ること」から始まる
脱炭素というと、太陽光発電や設備更新など、大きな投資の話を思い浮かべる方も多いかもしれません。ですが、実際の第一歩はもっと身近です。
それが、自社のエネルギー使用やCO2排出量を「見える化」することです。講演では、これを「ダイエットのために、まず体重計に乗ること」に例えてお伝えしました。現状が見えなければ、どこをどう改善すればよいかは分かりません。逆に言えば、現状が見えるだけで、無理なく始められる改善策が見えてきます。
宮崎県でも、中小企業の脱炭素経営を後押しする施策が進められており、排出量の可視化や伴走支援など、最初の一歩を踏み出しやすい環境が整いつつあります。脱炭素は「完璧にやること」よりも、「まず始めること」に価値があります。
成功している企業に共通するのは、「測る・減らす・活かす」の流れ
今回の講演では、宮崎県・大分県・全国の中小企業事例をもとに、脱炭素経営の実践には共通する流れがあることをご紹介しました。
それは、「知る・測る」「減らす」「活かす・伝える」という3つのステップです。まずは排出量やエネルギー使用量を把握し、次に運用改善や省エネ設備の導入などで削減を進め、最後にその取り組みを社外に伝え、企業価値や採用力、取引の強化につなげていく。この流れを繰り返すことで、脱炭素は単発の施策ではなく、会社の文化や経営の強みへと育っていきます。
特に重要なのは、最初から大きなことをしようとしないことです。空調温度の見直しや運用ルールの改善、照明の管理、エア漏れの確認など、投資を伴わずに始められることは多くあります。こうした取り組みを重ねながら、自社に合った次の一手を見つけていくことが、現実的で続けやすい進め方だと考えています。
宮崎・大分の地域事例から見えること
講演では、地域に根ざした脱炭素の実践例として、宮崎県や大分県の企業事例もご紹介しました。
たとえば宮崎県の株式会社モリタでは、省エネ診断を活用して改善点を洗い出し、まずは運用改善から着手したうえで、段階的に設備面の見直しへと進めています。こうした取り組みは、脱炭素が「理想論」ではなく、実際にコスト削減や経営改善につながる現実的な手段であることを示しています。
また、大分県の後藤製菓の事例では、営農型太陽光発電を活用しながら、地域のエネルギー循環や企業の物語づくりにつなげる実践が紹介されました。単に電気をつくる、CO2を減らすというだけでなく、その取り組みが地域との関係性や企業の魅力につながっていく点は、これからの中小企業経営において大きなヒントになると感じています。
業種が違っても、脱炭素の入口はある
今回ご紹介した事例は、製造業だけに限りません。
林業・木材関連分野では、地域資源を活かした循環型の考え方や、J-クレジットの活用といった展開が見られました。また、全国事例として紹介した結婚式場、クリーニング業、陶磁器卸、情報サービス業などでは、それぞれの事業特性に応じた方法で脱炭素と経営改善の両立が進められていました。
たとえば、空調や設備運用の見直しによる省エネ、機器更新による生産性向上、既存商品の修繕や再利用による新たな付加価値の創出、オフィス運営の見直しによる固定費削減など、業種が違っても「自社なりの入口」は必ずあります。脱炭素は一つの正解に当てはめるものではなく、自社の仕事や地域性に合わせて組み立てていくものだということを、事例を通じてお伝えしました。
「まずは小さく始める」ことが、これからの強さになる
脱炭素という言葉だけを見ると、難しさや大きな変化をイメージしがちです。
しかし実際には、最初の一歩はとても小さくて構いません。電気代や燃料代を見直すこと、エネルギー使用量を把握すること、社内で話題にしてみること。そうした積み重ねが、将来的にはコスト削減や取引先からの信頼、採用力の向上、そして新たな事業機会にもつながっていきます。
今回のセミナーが、宮崎県内の企業の皆さまにとって、「うちにもできるかもしれない」と感じるきっかけになっていれば嬉しく思います。うすきエネルギーとしても、今後も地域や企業の皆さまとともに、実践的で続けやすい脱炭素のあり方を考え、発信してまいります。
うすきエネルギーでは、地域に根ざしたエネルギーの取り組みを通じて、企業や地域が無理なく続けられる脱炭素のあり方をこれからも発信していきます。脱炭素経営に関心のある方は、ぜひ当日の資料もあわせてご覧ください。